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岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

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お知らせ

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STOL実験機「飛鳥」などで実証された技術が航空宇宙技術遺産に認定されました

この度、空宙博で展示をしている、短距離離着陸(STOL)実験機「飛鳥」と「技術試験衛星7型」で実証された技術が、一般財団法人日本航空宇宙学会の航空宇宙技術遺産に認定されました。

認定内容

認定日

2023年4月14日(金)

認定対象
  1. STOL実験機「飛鳥」で実証した低騒音短距離離着陸技術
  2. 技術試験衛星7型で実証した世界初の自動自律ランデブ・ドッキング技術
認定理由
  1. STOL実験機「飛鳥」はUSB (Upper Surface Blowing)方式の短距離離着陸実験機である。ターボファンエンジンを主翼上面に配置し、フラップに沿ってエンジン排気を下方へ曲げることでSTOL性を確保すると共に、地上への騒音を大幅に低減した。3年半にわたる飛行実験で,パワードリフト機の空力・飛行性を実証する世界的にも貴重なデータを取得した。同機が我が国の航空技術の発展と人材育成に果たした役割は大きい。
  2. 技術試験衛星7型(きく7号:「おりひめ・ひこぼし」)のランデブ・ドッキング(RVD)実験系は完全自動RVDを世界に先駆け開発・実現した。
  3. 完全自動RVDを行うためには自動・自律RVD、安全性の高いセイフRVDの実現が不可欠となる。前者に対しては、センサの計測データより相手宇宙機との相対位置や接近速度等を把握、接近/離脱の軌道を自動生成し、飛行制御、ドッキングを行う一連の機能を実現した。ドッキング精度も四半世紀経過後の今も世界最高精度である。後者に対しては、接近軌道設計上の工夫、異常発生時自動離脱機能、機器の冗長設計、安全管理プログラム等により安全性の高いセイフRVDを実現した。ETS-7 RVD系により確立した技術は宇宙ステーション補給機HTV、次世代のISS 補給機HTV-Xにも適用されており、今後の軌道上サービス宇宙機や月補給等への適用も期待される。
一般財団法人日本航空宇宙学会について

航空宇宙に関する学理および応用の研究についての発表および連絡、知識の交換、情報の提供などを行う場となることにより、航空宇宙に関する研究の進歩普及を図り、わが国における学術の発展に寄与することを目的に設立された団体。

「航空宇宙技術遺産認定制度」ついて

日本航空宇宙学会が我が国の航空宇宙技術発展史を形づくる画期的な製品および技術を顕彰して後世まで伝え、今後の航空宇宙技術の発展に寄与することを目的して、我が国の航空宇宙技術発展史上の画期的な製品および技術に対して、航空宇宙技術遺産を認定するもの。