
初飛行40周年記念企画展「飛鳥」
最後のコラムとして、企画展の内容や見どころを紹介していこうと思います。
45枚の解説パネルと18枚の写真たち
会場に入ってまず読んでいただきたいのは、ごあいさつから始まる45枚の解説パネルです。
「飛鳥」のことを分かりやすくまとめています。
「飛鳥」は、40年前にここ岐阜県各務原市で行われた国家プロジェクトで製造された機体です。岐阜県で、当時の最先端技術を使った官民一体の国家プロジェクトが行われていたんです。
すごいことですよね。
そんな国家プロジェクトの全貌を説明しています。
A0サイズの大きなパネルに加えて、A2サイズの小さなパネルも置いています。
ここでは、「飛鳥」の銘板や受賞歴の話に加え、航空力学・流体力学的な内容も補足しています。
難しいパネルもあるのですが、ぜひ読んでいただければ嬉しいです。
また、写真も多く展示しています。
1章のパネルが並ぶ反対側の壁には「飛鳥」の製造風景の写真を展示しています。
3章のフライトのパネル付近には離陸風景の写真、ヘルメットや酸素マスクの付近には搭乗員が装着する様子の写真。5章には博物館に展示されている「飛鳥」の写真。
このように、関係する展示物に合わせて展示しています。
写真を見るとより理解しやすいパネルもあるので、細かいところまで要チェックです。
37点の資料たち
そして、「飛鳥」に関係する資料も多く展示しています。
1章の「飛鳥」命名色紙は、航空機研究者の木村秀政先生や、漫画家の松本零士さんをはじめとした著名人の直筆サインが展示されています。
他にも、実際のパイロットが着用していた飛行服や落下傘、ヘルメットなども展示をしています。
そして、4章では博物館が所有する「飛鳥」の資料を一堂に展示しました。
実は、まだ収蔵庫で出番を待っている資料があります。
折を見て展示したいと思っていますので、また詳細はウェブサイトで告知しますね。
3本の映像
展示室内には3本の映像が流れています。
最も注目すべきは、飛行映像でしょう。
当時、密着取材を行っていた東海テレビ放送株式会社のご協力のもと、展示が実現しました。
100インチの大画面で見る、飛行中の姿やスピーカーから流れるエンジン音は迫力がありますね。
その他にも、2本の博物館自作映像で、「飛鳥」の機外と機内を紹介しています。
普段は見られない箇所も動画内で見ることができるので、ぜひ一度見てみてください。

「飛鳥」のミニ冊子
展示室の入口には無料のミニ冊子が置かれています。
ご来場いただいた皆さん、気付きましたか?この冊子もこだわりの一つです。
本当はスペースボックスに「飛鳥」の実機を持ち込んで、機体とパネルを照らし合わせて見てほしい。でも、それは物理的に不可能、ということで生まれたのがこの小冊子です。
機体の見どころや「飛鳥」について、全6ページで解説しています。
この冊子を手に、実際の「飛鳥」を見てみてください。

6回に渡って書いてきたコラムも、これで最後となりました。
お付き合いいただきありがとうございました。
企画展「飛鳥」ができるまでをご紹介してきましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。
担当がこだわりを持って作った図録と展示、ぜひ隅々までご覧ください。
では、また‼